九二式重装甲車は騎兵の機械化を目的として1932年(昭和7年)に制式化された車両です。砲塔と履帯を持ち、戦車の形態をしているにもかかわらず装甲車となっているのは戦車を管轄する歩兵科との兼ね合いであったといわれています。騎兵科用車両の特徴として火力や装甲はある程度犠牲としながらも高速力を重視したことが挙げられ、最高速度は当時の日本戦車としては異例の40km/hを出すことができました。
前期型の運用実績を基に改良が施された後期型は、車体下部転輪を片側4個、
上部転輪も片側2個に改め、誘導輪の形状を変更。武装は、13mm機銃の固定架
が改良され、さらに夜間射撃時の発射炎を軽減するフラッシュ・ハイダーが銃口に
取り付けられました。